
-LTD. RED VINYL. 限定レッド・ヴァイナル- 奴らは2010年代のことをまたこう言うのだろう。ロック史において2010年は何もなかった10年だったと。ちなみに1989年の11月にも得意げに彼らはこう言った。ロック史において1980年代は何もなかった10年だった。間違いないの奴らは1980年代にJESUS AND MARY CHAINも聴いていなかったし、この2010年代にはまたしてもFAT WHITE FAMILYも聴いていなかったということだ。そして我々はと言えばこの2010年代老いも若きもFAT WHITE FAMILYに人生を変えられさらにWARMDUSCHERを知っている。人生の差は出世やら正義やらなどではなくここで決まると私が断言しよう。2019年にこのWARMDUSCHERのアルバムを買ったか買わないかは後々の人生に必ず出る。結果は30年後に改めて互いに確認することとして、このレコードはディスコだ。ロンドンのドンFAT WHITE FAMILYのSaul AdamczewskiとCHILDHOODのBen Romans-HopcraftつまりINSECURE MENの二人(Saulはどうもやめたらしい)に元FWFのJack Everett、ロンドン・アシッド・ハウス・シーンで活動するQuinn Whalleyとその昔エレクトロクラッシュぷりを謎にキープしていたBLACK DANIELやSAVE!のメンバーMUTANDO PINTADOことCraig Louis Higgins Jr、という見た目は完全にロンドンのパブにしかいないとと思われるおっさんいやもとい重鎮たちによるこのアルバムは、80年代のストリートでなっていたヒップホップやディスコをでもそこはそうじゃないんだよなというその理由はMTVはじめビッグ・ミュージック・ビジネスに乗るしかなかったあの時代ならではの残念な点で、スバリそれが全くなくとんでも商品に昇華されてしまった、ロックおよびパンクおよびストリート。今聴くとカッコ良いB.A.D.が全然できなかったとこを時代で今聴いてカッコ良いと鳴らしてしまった全12曲。