「SOFT HAIR」と一致するもの

=BACK IN= CONNAN MOCKASINと元LATE OF THE PIERのフロントマン LA PRIESTことSam Dustによるスペシャル・デュオSOFT HAIRが2016年に残した現在のところ唯一の作品となる傑作1st。

=BACK IN=　 2000年代でもっとも素晴らしかったUKバンドLATE OF THE PIERのフロント・マンであった Samuel DustことSam EastgateによるソロLA PRIEST、2020年5年ぶり待望の2ndアルバム。真実とは'00年代のUKインディ・ムーブメントから誕生したいくつかのスタジアム級のバンドではなく、彼らなのだ。本作は、その後の2016年CONNAN MOCKASINとのデュオSOFT HAIRで認められた極上のポップ・センスに甘えず、TALKING HEADSが持っていた数少ない良い部分とTAKAHASHI YUKIHIROが生きた価値であるヴォーカル・センス、そこにSFV ACIDなどの現代のエレクトロニック勢のネオ・フロア＆ベッドルーム感を加えた、例えば後半の"Black Smoke"はRADIOHEADのTHOM YORKEが聴いたら「クヤジー」と歯ぎしりしそうな隠れた天才の片鱗を世間へとちらつかせながら、玄人向けに仕上げることはない。それはまさに'00年代にも'10年代にもなかったギガ・ブリティッシュ・モダーン・ロック。全12曲。

=BACK IN=　2000年代に起こったUK INDIEムーヴメントからは2010年代に活躍することとなった多くの才能が結果生まれましたが、その誰よりも才能とそれ以上の先進性とそれに耐えれるセンスを兼ね備えておきながらその異常なるこだわりとまたそれに伴う早すぎたDIY感覚のため一部のリスナーとアーティストたち（MISTERY JETSは「あいつらの性格は最悪だけどレコードはベスト」と言っていた）に評価されるのみだった4人組LATE OF THE PIERが2008年に残したそれは私内2000年代BEST ALBUMの第3位か2位か1位に入るかもしれない唯一のアルバムがついにReissue。フロントマンだったSam EastgateはLA PRIEST名義やCONNAN MOCKASINとのSOFT HAIRとしてその天才ぶりをキープしたまま活動。キーボーディストのSam PotterはFRANZ FERDIANDの2018年の新作に作曲者として参加。そして素晴らしいドラム・パフォーマンスを見せてくれていたRoss Dawsonは2015年に亡くなってしまった。しかしこのアルバムは色褪せない。いや色褪せた。色褪せたからこそロックでありポップでありその時代であった証拠でありそして未来をも乱舞させる音楽そしてレコードなのである。